年末特番ラッシュなどによりアニメは当分放送がないのでネタは枯渇。なので映画です。
スパイダー〜少年は蜘蛛にキスをする:たぶん初クローネンバーグ作品。精神病により施設にきた男(スパイダー)の記憶を通して見る彼の過去の事件の真実とは?みたいな話。決して、糸とか使って飛んだりはしません。ましてや蜘蛛に助けられる豚の話でもありませんよ。
さて、感想はと言えばスパイダーの記憶に虚実が入り混じり、現実も侵食されていて確かな事は何もわかりません。全て彼の主観的な面からしか語られません。だからラストまで見ても何が真実なの?と戸惑います。そういった話を面白いと思えるかどうかなので、人を選びます。自分はそれなりに楽しめました。
八月の鯨:芸四択。島に暮らす老姉妹の日常を通して浮かび上がる人生、といった感じですかね。最初は鯨を岬に見に行く話なのかな、とかぼんやり考えていましたが違いました。鯨は象徴扱いなので出てきません。
この映画はとにかく2人の大女優リリアン・ギッシュ93才、ベティ・デイビス79才の演技が圧巻の一言に尽きます。ただ、大女優と言われても?でしたが。ベティ・デイビスの瞳?だかの歌は知ってましたけどそれくらいで。ただそんなことは一切関係なく、カッコイイばあさん2人だなーとは誰にでも伝わってくるかと思います。声がまたいい。夏の話ですが暑さは感じられず、春みたいです。なので、仲良し姉妹の縁側的ほのぼの展開かと思いきや、意外にも緊張感があり。セリフひとつひとつから感じられる人生の深みや、苦みを味わえた気がします。久々に自分の中にある(勝手な)映画のイメージに近いものを見れたのでしっくりきました。